Kindle 2で青空文庫を手軽に読む。

（追記）Kindleを取り巻く状況は日々変化しています。Kindleに言及した最新記事もあわせてご確認ください。

（追記2）この記事よりも簡単に、しかもハックをせずに実践出来る「Kindle(Global Wireless)で縦書きの青空文庫を手軽に読む！」も併せて是非お読みください！

（追記3）Kindle単体で青空文庫を読む方法の決定版「世界中どこでも青空文庫をKindleにダウンロードして読む方法！」を必ずご確認下さい！ハックは必要ですが、最もお手軽です。

Kindle 2国際版をハックすることで、青空文庫を読む手軽な方法が見つかりました！

Kindleで青空文庫を読むというのは、実は自分の当初の目的から外れているのですが、期待も大きな分野だと思いますので、書いておきたいと思います。僕の環境はもちろんMacですが、他のOSでもあまり変わらずに出来るはずだと思われます。

手順は大きく二段階です。以下の内容は、すべて自己責任でお願いします。

1. Kindle 2を日本語化する。
2. 青空文庫のデータをKindle形式にする。

では、詳しく書いていきます。

まず、Kindle 2の日本語化です。これは、yoshiさんのブログのこの記事「Kindle 2 国際版へのM+IPAフォント導入はっく」に詳しく書かれていますので参考にしてください。やることは以下のことです。

• Kindle 2にUnicord Font Hack 0.2を当てる。
• 日本語フォントを入れる。

ここまで終わると、まずはKindleに日本語を表示出来るようになります。さっそく、Wikipediaを表示してみました。

次に、青空文庫のデータの取得とKindle形式への変換です。ここらへんは、さまざまな方法があると思います。いろいろ試した結果（この記事の末尾に記載）、もっとも手軽で美しく表示できると個人的に思ったのは、以下の方法です。

• 青空文庫からhtmlのデータをダウンロードする。
• htmlのファイルを、free.kindle.comにメールで投げる。
• 帰ってきたazwのファイルを、フリーソフトcalibreで開き、メタデータを入力する。
• 出来上がったファイルをKindleに入れる。

以上です。なんて簡単なのでしょう。

HOME画面はこんな感じです。夏目漱石の「こころ」です。

そして、本文はこんな感じ。最初のページです。

KindleではProject Gutenbergから英文の名作をダウンロードして、読み漁りたいと思っていましたが、日本語の名作も青空文庫で読めるというのは、かなり良いと思います。ぜひ、お試しください。

たしかにKindleのHackは少し高い敷居ですが、実際の作業自体は非常に簡単です。（当初、使えなくなると懸念していたUnicord Font Hack後のText-to-Speech機能ですが、問題なく使えます。）

なお、ここに至るまでに、いろいろな苦労がありました。トライした順に、ほぼ時系列で箇条書きにしておきますので、参考にしてみてください。

• Kindle 2ではPDFをそのまま読むことが出来ない。
• free.kindle.comにPDFを投げると、azw形式になったPDFは、画像データの場合は90度倒れて戻ってくる。文字データの場合は文字化けする。
• フリーソフトcalibreでPDFをmobi形式に変換すると、画像データは白黒反転する。文字データは文字化けする。
• フリーソフトStanzaでPDFをazw形式またはmobi形式に変換すると、画像データになっているものは変換自体できない。文字データは文字化けする。
• Unicord Font Hack後、calibreでつくったデータはHOME画面での題名と著者名は日本語表示出来ても、肝心要の本文が文字化けしていた。
• Unicord Font Hack後の日本語表示、PDF形式にするのはWindowsなら問題なく出来るという報告がTwitterで飛び交う。Macでは実現出来ずに、煮え湯を飲んだ気分が続く…。
• text形式をそのままKindleに放り込むと、本文の冒頭部分のみ文字化けした。
• text形式をfree.kindle.comに送ってazw形式にすると、改行がキャンセルされ段落別けがされない状態になった。
• text形式をcalibreもしくはStanzaに一度読ませると、本文が文字化けしてしまった。
• そこでhtml形式をfree.kindle.comに送ってazw形式にしたところ、最も美しい形で本文をとどめることが出来きた。
• free.kindle.comに送って出来たazw形式は、題名がファイル名に、著者名がkindleの自分のアカウント名（メールアドレス）になるので、calibreで整形すると、完璧な状態になった。（Stanzaではうまくいきませんでした。）

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