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Amazon Kindle 2国際版の購入を見送る3つの理由 October 12, 2009

Posted by marr0528 in iphone, kindle, Uncategorized.
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4 comments

(追記)Kindleを取り巻く状況は日々変化しています。Kindleに言及した最新記事もあわせてご確認ください。

10月7日に突如発表されたAmazon Kindle 2国際版の発売。実は、大きく心揺さぶられる出来事でした。ちょっと長くなりますが、Kindleにまつわる想いを書いておきます。

追記1:10月13日にこの記事を追補する記事を書きました。併せてご確認ください。

追記2:10月19日に結果的に購入を決めたという記事を書きました。こちらもご確認ください。

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Kindleについての基礎知識はこう。

Kindleは、3Gネットワーク経由で電子書籍をダウンロード購入して閲覧できる電子ブックリーダー。電子ペーパーを採用した6インチのモノクロディスプレイを装備しており、内蔵の2GBのメモリに約1500冊分の書籍を保存できる。これまで米国でのみ販売されていた。ダウンロード・閲覧できるのは英語書籍のみ。日本語対応については未定。世界各国向けに販売されるKindleの本体サイズは約203×135×9.1mm、重さは約289g。

もともと、あたらしもの好きのMarrさんですから、Kindleは2007年11月の第1世代発売時から注目はしていました。しかしながら、『これは欲しいっ!』と思うようになったのは、今年の2月に第2世代が発売されたとき。外見を見たときに、これは欲しいぞ、と思いました。

ポイントは、まずこの薄さと佇まい。この薄さは、男心をくすぐってくれます。また、写真では新聞に重ねてありますが、Kindleがあれば紙の新聞媒体なんてもう必要ありません。コーヒーを飲むときには、iPhoneとKindleがあれば十分になるのです。

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そして、この背面。この加工は美しい。心が、クラっ、ときました!

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もともと魅力溢れるKindle 2でしたが、米国内のみでの販売でしたし、当時はiPhoneに夢中で、近い将来にはMacBook Airという大きな獲物が控えていましたので、この子については諦めていたのです。しかし、忘れかけていた頃(しかも物欲の秋)に国際版の登場です。Amazon.com(co.jpではない)から日本に発送してくれること、国内にいても(というか世界のほぼどこにいても)Amazon.comのKindle Storeから3Gネットワーク経由(AT&Tのローミング)で書籍を購入できること、もちろん通信料はかからない(手数料は2ドルかかる)こと、そして今このタイミングでの円高ドル安!

なんて「Buyなう」してしまう理由がそろっているのでしょう!しかも、iPhone 3Gを原宿で一緒に並んで買った友人(イギリス人)は、早速予約してるじゃないですか!これは、負けてはいられません。

しかし、こんな状況の僕の襟首を『ちょっと待て』ということでグイッと引いてくれたのは、妻でした。その後、冷静になって考えた(そして調べた)ところ、今回のこのタイミングでの購入は見送るべきであろう、という3つの理由がはっきりしてきました。それを、今日は書いておこうと思います。(つまりは、これらの理由がある程度解消されたと判断できる時点で、購入する、という意味です(笑))。

  • 日本の書籍を購入することは出来ない。(これは、日本の出版業界の現状を見れば、少なくとも数年先まで、あり得ないと思っていますので、他の理由が解消されれば良しとします。なお、日本語の書籍も当然Kindleに放り込んだ読みたいと思っていますので、その場合にはScanSnapでPDF化したいと思っています。PDFについては以下に問題点を書いてあります。)
  • 日本語フォントの表示が出来ない。(これが最も大きな購入阻害要因ですが、100カ国余りで販売するんですから、当然同様の要望は多く出るはずで、多言語表示は時間の問題だと思います。また、Unicord Fonts Hackで日本語表示を可能にするハックがありますが、文字のサイズが変えられないこと、魅力の一つであるText-to-Speechが不可になることがどうしようもない欠点です。)
  • PDFを直接ドラッグアンドドロップで端末に入れることができない。(上で日本語表示が出来ないと書きましたが、当然文字を画像として取り込んだ形式のPDFであれば、日本語を(というか文字の画像を)表示することは出来ます。しかしながら、Kindle 2では、Mac/PC上で直接端末にコピーすることができないのです。ネットワーク経由では、その度に費用が発生しますので、避けたいところです。ちなみに、最新のKindle DX(大型版)ではこれが可能です。)

簡単にまとめると、以上の通りです。状況が好転し、Kindleが手に入ったとすると、当面の使い方は、こんな感じになります。

  • 英語の書籍や雑誌・新聞は、積極的にダウンロードして読む。
  • 日本語の書籍はScanSnapでPDF化し、持ち運びし、読みたいときに読む。

ということです。実はKindleの導入は、自分にとって大きな意味を持つことになると思っています。それを少し書いておきます。

これまで、MacBook Airは思考のアプトプットを、iPhoneは情報のインプットを司ってきました。ここに第3のデバイスを投入しようと言うわけです。

もともと僕は書籍や雑誌は買うのは好きですが、実際にはなかなか読む機会がない。その一番大きい理由は、まず持ち歩くのが面倒くさいのです。それがKindleによって解消されるのはとても大きなメリットです。それから、英語の書籍や雑誌・新聞は、読みたい、と思っていたけど、iPhoneで幾つかのNewsサイトやRSSに登録しているFeedを読む以外のものは遠ざけてしまっていました。これは、読解力というか語彙力の問題なのですが、Kindleに内蔵されるThe New Oxford American DictionaryをInstant Lookup機能で解決できるのです。画面上でどんどん意味を調べられるのは、意識を途切れさせないで読むためには必須です。

MacBook AirもiPhoneも持ち歩き用なのだから、それらで読めばいい、という話もありますが、やはり大きいディスプレイで専用端末なのは大きなメリットです。実は、iPhone 3Gに加えてMacBook Airを買うときにも同じような葛藤がありました。文章を書くのも情報を読むのも、iPhoneで出来たからです。でも、iPhoneは短い文章作成(たとえばTwitterの呟きや短いメール)には最適ですが、体系立てた文章を書くのには適していません。だから、MacBook Airを手にれたのです。文章を書くだけではなく、スケジュールを俯瞰したり、iPhoneではそもそも出来ないMacならではの作業もあるのはもちろんですが。

「書く」の次には「読む」の番です。第1世代のiPhoneから早2年以上経ち、iPhoneの善し悪しもだいぶ分かってきたつもりです。情報に触れるのには、とても便利なiPhoneですが、長い文章を読むのには向いていないと思うのです。たとえば、青空文庫アプリをiPhoneに入れてかつての名作を読むのにはまった時期がありました。作品はどこでもダウンロードできる、これは大きなメリットで、同じ感覚をKindleでも体験できると思うと、気持ちはゾクゾクします。しかし、青空文庫での名作鑑賞も長続きしませんでした。理由は、画面の大きさに尽きると思います。ここら辺は、ぜひ専用端末に委ねてみたい、という気持ちが大きくあります。

最後に、今回の件で、強く思ったのが英語の重要性です。高校を出てから10年以上経ちますが、もっともっと自分と英語との距離感を縮めておくべきだった、と後悔しています。僕は、仕事でもプライベートでもある程度の英語は使います。例えば、MacもiPhoneも基本環境は英語にしていますので、メニューは全て英語です。会話程度の英語は、かろうじて使いこなせます。でも、活字を読むことについては、これまで逃げてきていたのは事実です。インターネットの世界になり、英語の情報が世の中で最も早く、大量に存在するのは確かですから、ここら辺を、Kindleを活用して克服したい、という目論みもあります。(何事も形から入るのがMarrさんですから、先に能力を身につけなさい、という議論は不毛です。)

ふーっ、Kindleでここまで熱く語れるとは思っていませんでした。友人のKindle 2が届いたら、細かなレビューをしてみたいと思います。とりあえず、ここらへんで。

追記:10月13日にこの記事を追補する記事を書きました。併せてご確認ください。

追記2:10月19日に結果的に購入を決めたという記事を書きました。こちらもご確認ください。